こちんぴシネマ
 このコーナーはオレが見た映画・ビデオの感想を書くコーナーです。
 映画館に行く際や、レンタルビデオ店でビデオを借りる際の参考にしてください。
 ちなみにネタバレだ、(#゚Д゚)ゴルァ でお届け。
Movie 153

戦国自衛隊 1549


あらすじ

 
 2003年、的場一佐(鹿賀丈史)率いる自衛隊の実験部隊は人工磁場発生装置の実験中、装置の暴走にまきこまれ、1547年の日本へタイムスリップしてしまう。
 2年後の2005年。的場達が過去で起こしていると推測される過干渉のため、虚数空間「ホール」が日本に出現。現代の日本が消滅する前に過去へ行って的場達を止める事が必要となった。
 自衛隊では森三佐(生瀬勝久)を隊長とするロメオ隊が結成され、過去へのタイムスリップが計画される。
 2003年の実験にも関わっていた神崎二尉(鈴木京香)は昔は的場の部下で、今は自衛隊を除隊した鹿島(江口洋介)に的場の行動パターンを推測する為にロメオ隊への参加を依頼。当初は断った鹿島だが、的場達と入れ違いに現代にタイムスリップしてきた侍・七兵衛(北村一輝)の言葉に触発され、ロメオ隊への参加を決意する。
 ロメオ隊がたどり着いたのは1549年の日本。そして、そこには2年間の間に自衛隊の装備を使って勢力拡大を続ける、織田信長こと的場一佐と、天導衆と名乗る自衛隊実験部隊の面々がいたのだった。

 角川映画の「戦国自衛隊」をご存知だろうか?
 1979年(ちなみにこちんぴさん、3歳)に制作された映画は「自衛隊が戦国時代にタイムスリップしてしまう」という破天荒な設定と、千葉真一や真田広之による凄まじいスタント(飛んでいるヘリコプターから真田広之が命綱無しで飛び降りるシーンがあるのだが、演じてるのは真田広之本人!!)、当時の角川映画ならではの無駄な予算の使いっぷり(自衛隊の協力が得られなかったので、戦車を自作)が話題となり、当時としては大ヒットとなった。
 オレ自身、小さい時にTVの映画番組で見てかなり度胆を抜かれたし、大人になってからビデオ屋で借りてきて、「やっぱ角川春樹は(いい意味で)馬鹿だなぁ」と思った映画である。
 前作に関しては半村良の原作(伊庭率いる自衛隊が戦国時代にタイムスリップ。戦国時代を自衛隊の武器を使って天下統一を図るが、途中で伊庭は謀反にあう。死ぬ間際に伊庭は自分が織田信長のいないパラレルワールドにタイムスリップし、時代を補正する為に織田信長役をしていた事に気がつく)を一切無視し、千葉真一が本能のままに天下統一に向かって突き進む映画になっていた。
 千葉ちゃん演じる伊庭は戦国時代にすっかりなじみ、長尾景虎(のちの上杉謙信。演じてたのは夏八木勲)とすっかり友達になり、長尾&自衛隊軍で川中島で武田信玄の首を取るものの、最終的には伊庭に恐れを抱いた朝廷の命を受けた景虎によって討たれる、というストーリー。
 自衛隊員が仲間割れを起こした挙句、渡瀬恒彦率いる一隊が自暴自棄になって粛清されたり(今ではラーメン屋の親父イメージの強い角野卓造「おれたちゃ、キングだ、王様だ!!」と叫びながら戦国時代の女をレイプしてたなぁ)、文化財の城にヘリコプターを横付けにして撮影したり、千葉ちゃんが一気に野生化して、夏八木勲と褌姿で「同属じゃ、同属じゃ」と騒いだり(「同族」かなぁ?)、と漢汁(おとこぢる)120%の無駄に濃い映画だった。

 んで、今作。
 前作を知らずに見ればそれなりに楽しめるかもしれない。
 しかしながら、前作を見たことがある人間としてはかなり物足りない。

 「戦国自衛隊」の醍醐味は「自衛隊の最新兵器VS戦国時代の兵士」だと思うのだよ。自衛隊の最新鋭機器に無制限にワラワラと足軽たちが立ちはだかり、人海戦術で倒してしまうシーンや、逆に自衛隊のヘリや戦車が足軽たちを虫けらのように倒すのが醍醐味だと思うし、この映画を見に来る人はそーいうのを期待してると思うのだよ。
 ところが、そういうシーンもあるものの、基本的には天導衆VSロメオ隊なので、自衛隊の武器VS自衛隊の武器になってしまっている。
 「対戦車砲で爆破される自衛隊の戦車」とか「追尾型ミサイルで打ち落とされるヘリコプター」なんて絵は見たくないワケですよ。「戦国時代のビックリドッキリメカに倒される自衛隊の戦車」とか「潜入してきた敵の武将に操縦士が殺されて墜落するヘリコプター」は見たいけど。
 さらに言えば、「戦国自衛隊」には極端な話、設定などは要らないのだよ。
 今作はちゃんとタイムスリップに理由があるんだが、前作の「原因は一切不明でいきなり戦国時代にタイムスリップ」のほうがインパクトははるかに大きい。的場達はワケもわからず飛ばされたんだろうが、劇中では2年後だからすっかり馴染みきってるし、ロメオ隊は時間が来ると現代に戻れる設定なので不条理に飛ばされてきた悲壮感がまったく無いし。
 さらにロメオ隊はもちろん、的場達も模範的な自衛官なので、前作の千葉ちゃんや渡瀬恒彦らが見せた「現代に戻れない自暴自棄感」や「人間の本能に忠実な自衛隊員」の姿は無い。あるのは専守防衛に苦悩する姿だけだ。
 まぁ、製作陣が「専守防衛と自衛隊」ってのを大きなテーマにしてたようだし、自衛隊が全面協力している映画で「おれたちゃ、キングだ、王様だ!!」→戦国時代の女を集団レイプ→終わったら海に叩き落して殺す、ってのは無理に決まっているが、もう少し戦国時代に飛ばされた不条理感とか人間の本能をさらけ出して欲しかったなぁ、と思う。

 と、ここまで書くと非常に駄作のようだが、評価すべき点もいくつかあった。例えば自衛隊の武器は自衛隊が全面協力してるだけあって本物の迫力があるし、自衛隊の演習地内に2億円以上かけて作った天母城は立派だったし、CGも違和感なく使われていたし。
 あと、軍服姿の鈴木京香に(;´Д`)ハァハァだし。
 さらに特筆すべきはこの2点。
 ・森三佐(生瀬勝久)の漢っぷり
 ・三國陸曹長(嶋大輔)の漢っぷり

 前半は森三佐が美味しいところを持っていくし、後半は三國陸曹長がおいしいトコ取り。つーか、嶋大輔がこんなにカッコいいのは「超獣戦隊ライブマン」以来じゃないのか?ぐらいにカッコいい。
 っていうか、鹿賀丈史や伊武雅刀、北村一輝(激しくグッジョブ!!)の怪演に押されまくって、主演の江口洋介の印象が激しく薄い。

 結論としては、
 ・前作の「戦国自衛隊」を見たことが無いor嫌い
 ・自衛隊の兵器好き
 ・甲冑好き
 ・生瀬勝久好き
 ・嶋大輔好き
 ・北村一輝好き
 ・鈴木京香好き

 の7つの条件のうち、5つ以上当てはまる人ならば楽しめるかも。
 ただ、この映画は映画館向きなので、「ビデオになるまで待とうかなぁ」とか考えちゃダメ。見るなら映画館で。
 つーか、ビデオ屋で借りるなら、前作の「戦国自衛隊」のほうをオススメしたいなぁ。娯楽作品としてはこっちのほうがはるかに上だし。